ホルモン療法など

受付

(2)ホルモン療法
およそ7割の乳がんがホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有するものは女性ホルモンの刺激ががんの増殖に影響しています。
手術で取った乳がん組織の中にあるホルモン受容体を検査することにより、女性ホルモンに影響を受けやすいか、受けにくいかということがわかります。
影響を受けやすいがんを「ホルモン感受性乳がん」、または「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されています。

(3)新しい分子標的療法
乳がんのうち、およそ2~3割が乳がん細胞の表面に「HER2タンパク」と呼ばれるタンパク質を多く含んでおり、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。
最近このHER2だけに対応した治療法が開発され、乳がん治療における新たな治療法として注目されています。
それが分子標的療法です。
この治療法は、HER2タンパク、もしくはHER2遺伝子を多く持っている乳がんにのみ効果を発揮します。

放射線療法と薬物療法

手術室入り口

②放射線療法
放射線には、がん細胞を死滅させるという効果があります。
この放射線を用いた放射線治療は、放射線照射を行った部分にのみ効果を発揮する局所療法です。
乳がんにおいては、外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行う場合と、骨に対する痛みなど、転移した病巣による症状を緩和するために行う場合などがあります。

放射線を照射する量や範囲は病巣のある場所、放射線治療を行う主な目的、病変の範囲などによって選択されます。
この放射線療法には副作用が発生することもあります。
副作用は病巣周囲の正常組織にも放射線がかかることによって発生し、放射線が当たった領域に含まれる臓器に特有の副作用があらわれます。
具体的な例としては、腰椎に放射線を当てた場合だと、消化管や皮膚の炎症などが起こることがあります。

③薬物療法
一般的に、乳がんの治療に用いられる薬は化学療法、ホルモン療法、新しい分子標的療法の3つに分けることができます。
薬物療法は、基本的に重篤度が異なります。
また、副作用が発生することもあります。
その副作用は、治療を受ける人各々に違いがあり、個人差があります。
薬物療法を受ける場合には、薬物の目的、治療効果、副作用などいろいろな面において担当医から説明を受けることが重要です。

(1)化学療法
化学療法は細胞分裂のさまざまな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があり、乳がんにおいては比較的化療法に反応しやすいがんということがわかっています。
化学療法はがん細胞を死滅させるという効果を持っていますが、その反面、がん細胞以外の骨髄細胞、毛根細胞、消化管の粘膜細胞などの正常の細胞にも作用し、白血球や血小板の減少、食欲低下や吐き気、脱毛といった副作用があらわれます。

リンパ節に対する手術

待合室

●わきの下のリンパ節に対する手術
(1)腋窩リンパ節郭清
基本的に、乳がんの切除と一緒にわきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除していきます。
この方法を「腋窩リンパ節郭清」ともいいます。
腋窩リンパ節覚醒は、乳がんが発生する一定の領域でのリンパ節再発も予防します。
そのうえ、再発の可能性を予測してくれるので、術後に薬物療法が必要かどうかを検討するという意味では大変重要なものとなっています。
腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした方の腕にリンパ浮腫が出たり、肩に痛みが出たり運動障害が発生することがあります。

(2)センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは、乳がんからこぼれ落ちたがん細胞が初めに到達する乳腺の領域リンパ節のことをいいます。
「見張り番リンパ節」と日本語であらわすこともあります。
がんの近傍に放射線同位元素や色素を注射することで見つけることができます。
ほとんどの場合、わきの下のリンパ節にセンチネルリンパ節がないことが多いです。
このセンチネルリンパ節生検は腋窩リンパ節郭清を行う必要がない患者が選択する手段のひとつとして期待されていますが、現在では研究段階の治療法となっています。

●乳房再建術
がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉、もしくは人工物を使用し形成する手術のことです。
この乳房再建術で乳頭を形成することもできます。